レポート「生きもの調査員からの挑戦状」

レポート「生きもの調査員からの挑戦状」

NATURE CLIPS事務局のO(30代)です。事務局では主にイベントの企画や、デザインまわりを担当しています。

2023年夏に、町田薬師池公園四季彩の杜西園(東京都町田市)という公園で「なぞときたんけん 生きもの調査員からの挑戦状」というイベントを開催しましたので、コンセプトや実施の様子をご紹介します。

2023年7月26日(水)・7月30日(日)に2時間ずつ、午前の部・午後の部に分けて実施しました。

10組までの募集で、1組2000円頂戴いたしました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございます。

Instagramと園内掲示チラシで広報しましたが、「インスタ見て来ました!」というお客様が多くいらっしゃいました。(探り探りでも、続けていてよかったです)

 

「自分で探す観察会」を目指して

本イベントは、自然観察会です。観察会は、ガイドについて行くだけでも楽しめます。ただ、私たちとしては、自分で見つける楽しさにも気づいてほしいという想いがありますので、シンプルにご案内するだけではなく、自分で探したくなる仕掛けを用意しようと考えました。

そこで目を付けたのが、近年世間に増えている「リアル謎解きイベント」でした。ただ、我々には世のレベルほどの冊子・小物・デザイン・アプリなどを用意することはできませんので、正しくは「リアル謎解きイベント風」です。我々なりに小物やネタを用意し、少し演技も入れながらご案内することになりました。 

 

「自然調査会社らしいプログラム」も目指す

集合した参加者たちには、「生きもの調査会社の部長(以下、ぶちょう)」から生きもの調査員になる「辞令」が出ます。そして、調査記録をするための野帳と3色ボールペンが支給されます。

平社員の「ヒラ」からは、「お客さん」から様々な依頼が来ていることが告げられます。

第一の依頼は公園の園長さんから。

セミの抜け殻を数えて、どの種類のセミが、どのくらいの数がいるのか調べてください

そう、このプログラムは、ただ自然観察をするのではなく、お客さんの依頼に応えるために自然調査をするのです。

出発前に、セミの抜け殻を記録するために野帳にレイアウトを描く

 

いざ出発。

園内を歩きながら抜け殻を見つけるたびに種類・雌雄を調べます。

歩き続けていく中で、園内の環境が変わるたびに「ヒラ」から次の依頼が明かされます。

キイロテントウです。仲間が集まる葉っぱを探しています。

昆虫調査担当者です。傷つけない方法でバッタを捕まえてみてください。

ゴマダラチョウです。樹液が出る木を見つけてください。

キイロテントウが食べるうどん粉病の菌が付いた葉っぱを探したり、

ぶちょうのレクチャーを受けて業務用の大きな網を使ってみたり、

樹液が出る木を見つけて地図に記入したりするなど、

どんどん依頼をこなしていきます。

ちなみに、業務が完了すると、ちゃんと(?)お給料と称して「お給料シール」をもらえます。みんな奪うように「ヒラ」からもらって、野帳に貼ります。

 

アメリカのジョンからの依頼

とあるクズが映えている場所での依頼。アメリカに住むジョンより。

アメリカでクズがたくさん茂って困っています。クズを食べる日本の虫を教えてください。

参加者はクズの葉に噛んだ跡を発見。噛む虫を探し、コフキゾウムシを発見します。観察ケースに入れてじっくり観察した後に、

  • もともとクズはアメリカにはなかったけれど、アジアから持ち込まれて茂りすぎ、他の植物を追いやってしまうことがある
  • クズを食べる虫をジョンに渡したら、喜ぶかもしれない

などを伝えた上で(実際の問題はもっと複雑なのですが、子どもたち向けに簡略化しましたのでご了承ください)、

みんなは、コフキゾウムシをジョンに渡す?渡さない?

という問いかけをしました。

ある日のある部の参加者たちは、

コフキゾウムシがアメリカに渡ったらどうなるかわからないから、渡さない。代わりにクズを食べるレシピ(くずもち等)を教えてあげる。

という答えを出しました。我々は立派なコンサルティングだと感じ、お給料シールをたんまり渡しました。

こうして依頼をほとんど達成した参加者たちは、最初の依頼「セミの抜け殻数え」を続けながらスタート地点に戻ります。

イベント中に生きもの発見センサーが発達してきた彼らは、どんどん生きものを見つけて、生きものが生息する場としての公園を楽しんでくれていたと思います。

 

おしまいに

最後に、園長さんに提出するセミの抜け殻数え報告書をまとめ、ぶちょう・ヒラから自然観察のマナーを改めて確認し、最後のお給料シールを渡して終了となりました。

終了後もしばらく、セミの抜け殻や見つけたタマムシ遺骸を拡大鏡で観察したり、夏休みの自由研究についてぶちょうに相談する時間がありました。

楽しかったー!

今回のイベントで初めて西園に来た!という参加者さんや、いつも来ているけどこんなに生きものがいるとは知らなかった!という参加者さんがいらっしゃいました。

NATURE CLIPS事務局では定期的に西園に生きものを観察しにいっていますので、また何かイベントができればと考えております。

ブログに戻る