ヒメアマツバメのモビールができるまで

ヒメアマツバメのモビールができるまで

こんにちは、NATURE CLIPS事務局のおーさんです。

2025年1月29日(水)~31日(金)に開催されるグリーンインフラ産業展にて、清水建設様よりのご依頼でヒメアマツバメのモビールを作成し、ブースに展示していただきました。

せっかくの機会ですので、ヒメアマツバメについてや、作成や展示の様子についてご紹介します。


ヒメアマツバメって?

撮影:佐藤信敏 氏

ヒメアマツバメは、体長だけで見るとスズメより少し小ぶりの鳥です。

橋やビルの、雨があたらなくて風通しの良いところに集団で巣を作って、繁殖とねぐらに使っています。1970年代ごろに日本でも確認されることが増え、いまでは東京都心のビルにも集団営巣地があることが知られていて、皇居周辺の上空で観察することもできます。

アマツバメが飛ぶ姿はブーメランのような形をしているので、ツバメとの見分けは簡単かなと感じています。

ツバメは電線や柵に止まったり、地面に降りたりしている姿を見かけることがありますが、上空生活と速く飛ぶことに特化した細長い羽・翼を持つヒメアマツバメがそのように止まることはほとんどないそうです。



清水建設とヒメアマツバメの縁

撮影:佐藤信敏 氏

 

ヒメアマツバメは、神奈川県厚木市の厚木市文化会館の軒天上にも集団で営巣しています。

清水建設では、会館の改修工事に際してヒメアマツバメに配慮すべく、

  • 工事内容や時期の調整
  • クレーン車などによる飛翔阻害防止
  • 騒音・振動・塗装臭気対策
  • 影響を調べるための行動観察
  • 帰巣数カウント
  • 人口巣試験

などを行い、
生態を学ぶための環境教育イベントも開催しました。

この取り組みは、NHKの生きもの番組「ダーウィンが来た!」でも紹介されています。

清水建設HP(【テレビ放送】NHK総合 ダーウィンが来た!「新たなご近所さん!“都会派”の生きもの特集」)
https://www.shimz.co.jp/information/media/20241110.html


これらの配慮の結果、すべてのヒメアマツバメが逃げず、3回の繁殖を確認することができたそうです。

今回のグリーンインフラ産業展では、清水建設様のブースにてその取り組みについても展示することになり、アイキャッチ・装飾となるべく、NATURE CLIPS事務局「おーさん」に、ヒメアマツバメモビール作成のご依頼をいただきました。


→グリーンインフラ産業展HPへ

 


これまで作ってきたクラフト

おーさんのクラフトは、観察会をしなくても身近な野鳥の話ができるコミュニケーションツールとしてデザイン・製造しているペーパークラフトキットです。あらかじめカットされている部品をのりで貼り合わせて行くと、ほぼ実物大の野鳥ができあがります。ハサミは使いません。


自分の手で貼り合わせるという工程は、その野鳥の特徴を覚えやすくし、その野鳥への興味・関心を高めます。

3歳ののりが使えるようになったお子さんから、外歩きが難しいご年配の方まで楽しんでいただけます。

「観察会をしなくても...」と書きましたが、もちろん作った後に観察しに行けば、初心者の方ももう特徴を知っているので、観察のしやすさUP!観察できた時の感動もひとしお!
観察会の後に作れば、その日の観察を補う情報を提供したり、お土産になったりします。

これまでにワークショップ用キットとしてきたのがこちら!


ヒメアマツバメはまだなかったので、今回は新規で作成することになりました。


さぁ作るぞー!

 

やっぱりブーメラン、でもぷっくり

これまで作ってきた鳥たちと比べると、まったく異なる翼を持っていることが分かります。本当にブーメランのようです。清水建設の皆様との打ち合わせでも、「速さを追求するとこういう形になるんですかねぇ」と話で盛り上がりました。

でも、頭からお腹にかけては、ツバメに比べるとぷっくりしていると言うか、ずんぐりしていると言うか...こりゃ可愛いですな!

クラフトを作る時、いつも悩むこと

開発はじめの段階ではブーメランを意識してかなり三日月形に近い翼にしていましたが、色んな図鑑や写真も眺めながら、もう少し骨格なども意識した形に修正しました。

観察した時の動的な印象をそのまま形にするのか、図鑑や写真、時には標本を確認しながらの静的な情報を形にするのか、いつも悩みます。

クラフトはこれまでも専門家さんや詳しい方にコメントをいただいてきましたが、人によってその鳥に持つイメージや観察体験も様々で、同じ鳥でも「もっとしゅっとしている」「いんや、これくらいぷっくりでもよい」などと意見が分かれるので、なかなか簡単には型が決まりません。

最終的には、「印象」と「情報」の折衷案(悪く言えば「どっちつかず」)で且つ、

  • 3歳のお子さんからでもなんとか貼り合わせて作れるクラフトにする
  • 1日で100セットくらい、なるべく少ない紙で生産できる型にする

という学習教材として成立するように設計していきます。

ワークショップ仕様のクラフトよりも、展示仕様のクラフトは芯となる堅い材を挟み込んだり、より厚い紙をしたり、スティックのりではなくボンドで貼り合わせたりと、できる限り頑丈にしています。子どもたちが寝静まってから、真夜中にぺたぺた貼っていきました。

綺麗に作るのに大事なコツは、作業台を一切汚さないこと。そう意識することで、ボンドのはみ出しがなく、手指が綺麗なままとなり、綺麗に仕上がるのです。

ちなみに、ワークショップの時は綺麗に作ることよりもその鳥について知ってもらうことが大事なので、「綺麗に作ろうね」は言わないようにしています。



いざ展示へ

「エコプロダクツ展」と同じノリで東京ビッグサイトの東ホール行ったところ、別の展示が準備中...。グリーンインフラ展は南ホールです。

実はわたくし、南館は初めて。東館に比べて南館の方が大きな窓で外が眺められていいですね。よくよくじっくり上空を見ていたら、ヒメアマツバメも観察できるかも?

清水建設のブースに到着し、設置させていただきました。

今回はスタンドも作りました。

いつもクラフトをモビールにして展示をするときは、展示場所にある梁やワイヤーなどから吊るしているですが、今回たまたまそのような展示環境ではないことがわかりました。

市販のモビールスタンドでは長さが足りなかったり、高すぎたり、ベビーベッド向きに可愛いすぎたりと、ちょうどよいものがなかったので、モビールスタンドも自作してみました。

材木屋さんで重さのちょうどよいヤマザクラの直方体の材を見つけたので、それを基礎とし、安売り端材でアームを作りました。 

今回のブースが木材の質感をそのまま露出させたデザインなので、スタンドの木材そのままと雰囲気がたまたまマッチ!少し無骨すぎたかな?と思っていたので、安心しました。

是非会場へお越しください

よーっし写真でも撮るかー!と思ったのですが、設営中の会場は搬入口が開放されていて風が強めに流れています。モビールなので当然動きます。翼の形は風も受け止めやすいのかぐるぐるぐるぐる動きます。ヒメアマツバメらしいっちゃらしいんですが、写真を撮るにはあまりにもハードモード。別途動画でも上げようかな...

3羽のモビールのうち、2羽がヒメアマツバメが飛んでいる時らしい配置になった瞬間(動画からのキャプチャーです)。時折こういう配置になるのが、モビールの楽しさです。

講演会があるようなステージすぐ前のブースでぐるぐる回り続ける予定です。ずーっと眺めていられますので、少し歩き疲れたり、情報で頭いっぱいになっちゃった時に是非眺めてくださいませ。

是非、グリーンインフラ産業展の清水建設ブースにお立ちよりください!


→グリーンインフラ産業展HPへ

 

 

 

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