こんにちは、NATURE CLIPS事務局長のKです。これまでたくさんの自然環境調査をしてきた経験を踏まえて、バードウォッチング初心者の人でも失敗しない、双眼鏡の選びかたをご説明します。
1.バードウォッチングの魅力
2.双眼鏡の基本: 倍率と口径
倍率とは?
低倍率(例: 7~8x):
中倍率(例: 10x):
高倍率(例: 12x以上):
口径は大きければ良い?
口径と明るさ:
口径は、双眼鏡の対象物に入る光の量を決定します。口径が大きいほど、よりたくさんの光が取り込まれ、暗い環境での観察が向上します。バードウォッチングであれば、サンコウチョウのような植林地などの薄暗い環境で観察したい場合、日出や日没前後などでしっかりと観察するのに向いています。また、星座や夜空を観察する場合、口径の大きな双眼鏡は暗い星や星座をより鮮明に見るのに役立ちます。
口径と収束距離:
口径が大きいと、双眼鏡の収束距離も長くなります。最短焦点距離といった方が分かりやすいかもしれませんね。双眼鏡の収束距離(最短焦点距離)とは、両眼で見た画像が1つの統合された像になる距離のことを指します。具体的には、双眼鏡を通して見た物体が、両眼で見たときにぴったり1つの画像として見える距離を指します。この距離では、立体視が最もクリアになり、景色を立体的に認識できます。一般的に高倍率の双眼鏡には口径が大きいものが多く、重くなりがちなので手ブレの影響には十分注意が必要です。
注意:
倍率と口径はトレードオフの関係にあります。高倍率の双眼鏡は対象物をより拡大できますが、手ブレの影響が大きく、明るさが低下することがあります。適切な倍率と口径のバランスを見つけることが、最適な用途に合った双眼鏡を選ぶ鍵となります。
ちなみに事務局長Kは、通常のバードウォッチングでは、8×32を好んで使っています。野鳥の調査では、首掛け用に8.5×42を、三脚固定用に12×50を使うことが多いです。散歩や出張時など普段の持ち歩き用に6×18を使い分けています。
3.初心者が陥りやすい高倍率の双眼鏡の罠
高倍率の双眼鏡は、目的物を大きく見ることができるため、一見魅力的に思えます。しかし、初心者の方が高倍率の双眼鏡を選ぶことには、結構デメリットがあります。
手振れの影響 :
視野の狭さ :
高倍率の双眼鏡は、視野が狭くなりがちです。狭い視野では、鳥を見つけたり追いかけたりするのが難しくなります。周りの方がしっかりと観察できているのに、自分だけ双眼鏡に入れられず、見ることができないなんてことになりかねません。
明るさの低下 :
4.初心者のバードウォッチングにおすすめのスペックは?
倍率は8倍が最適
適切な拡大率:
手振れの少なさ:
32mm口径は、明るさ大きさのバランス良し
明るさと携帯性のバランス:
広い視野:
5.重さとサイズの選び方
バードウォッチングにおいて、双眼鏡の重さは非常に重要な要素となります。特に長時間の観察や移動を伴う場合、適切な重さの双眼鏡を選ぶことが快適な観察活動のための鍵となります。
8×32の双眼鏡:
8×32の双眼鏡は、そのバランスの良いサイズと適当な重さで、長時間の観察でも腕や首への負担が少なくなります。特に、野鳥が現れた際の迅速な動きや、高い位置での鳥の観察では、重い双眼鏡だと疲れがすぐに訪れてしまいます。しかし、8×32のような適切な重さのものを選ぶことで、疲れによる手振れや目の疲れを大幅に軽減することができます。
持ち運びの容易さ:
8×32は比較的コンパクトなサイズのものが多く、ハイキングや移動をしながらのバードウォッチングにも適しています。重すぎる双眼鏡は移動中の負担となり、その結果として、頻繁に観察のチャンスを逃してしまうことも。一方、8×32の双眼鏡なら、サイドポケットや小さなバッグに収納して、すぐに取り出して使うことができます。
安定した観察:
重すぎる双眼鏡は、持ち上げて目に当てたときの安定性が低下し、特に風の強い日などでは手振れが生じやすくなります。8×32の適切な重さは、安定した観察をサポートし、鳥の細かな動きや特徴をしっかりと捉えるのを助けます。
以上の理由から、8×32の双眼鏡は、その重さとサイズがバードウォッチングにおける快適さや観察の精度を高める要因となっていると言えます。
6.防水・防塵機能の重要性
バードウォッチングの場面では、悪天候や自然の環境条件にさらされることが少なくありません。そのため、選ぶ双眼鏡が一定水準の防水性と防塵性を備えていることが非常に重要です。以下に、防水・防塵機能の重要性を具体的な事例を挙げながら説明します。
シーン1:雨の日の観察
シーン2:湿度や埃の多い場所での観察
シーン3:湖や海での観察
7.アイリリーフの確認
アイリリーフとは、双眼鏡のアイピースから眼までの距離を指します。アイリリーフが長い双眼鏡は、眼から双眼鏡までの距離が長く取れるため、眼鏡をかけている方や眼が突出している方にとって非常に重要です。アイリリーフの選び方について、何に注目すべきか、以下に示します。
アイリリーフの数字:
眼鏡をかけている場合:
アイリリーフの長さと視野:
注意:アイリリーフが短い場合
8.価格帯とブランド
バードウォッチング用の双眼鏡を選ぶ際、価格帯とブランド選びも重要な要素です。ここでは、価格とブランドについてのポイントを説明します。
価格と光学性能の関連性
一般的な原則として、双眼鏡の価格とその光学性能は一定の関連性があります。高品質の光学素材や精密な製造プロセスはコストがかかります。そのため、あまりにも安価な双眼鏡は、光学性能において優れた製品と比べて劣ることが多いです。初心者の方にも、ある程度の価格帯の双眼鏡を選ぶことをおすすめします。価格が高いからといって必ずしも優れた双眼鏡とは限りませんが、安すぎる製品は光学性能に制約があることが多いため、バードウォッチングを楽しむ上で不便を感じることがあります。
ブランド信頼性とアフターフォロー
双眼鏡といえば、S社、Z社、K社、L社、N社、C社、F社、P社、V社などが有名ですね(全部分かる人いますか?)。双眼鏡を選ぶ際にはこのような実績のあるブランドを選ぶことも大切です。信頼性のあるブランドは、多くのユーザーからの評判を築いており、品質管理が行き届いています。さらに、アフターフォローやカスタマーサポートがしっかりしていることも重要です。
バードウォッチング用の双眼鏡は、自然環境で酷使されるため、万一の故障やトラブルに迅速に対応できる販売店やブランドを選ぶことで、長期間にわたり安心してご利用いただけます。
なお、NatureClipsで取り扱っている双眼鏡の種類はまだまだ少ないですが、上に書いたたくさんの有名メーカーの双眼鏡で、ほぼ同様の仕様や機能を持つ製品と比べて、コストパフォーマンスが良いものを見つけ出して販売しています。また、専門的な知識と経験を持つスタッフが、製品の選定やトラブルの解決に関してサポートを提供しています。
有名メーカー製品と同様の光学性能を持つ双眼鏡をより安価で手に入れたい人、人とは違う双眼鏡を使ってみたい方(気にならない方)には超お勧めです。
9.まとめ:バードウォッチングを楽しむための第一歩
バードウォッチングの魅力を十分に味わうためには、適切な双眼鏡の選び方が欠かせません。特に初心者の方は、8x32くらいの大きさの双眼鏡から始めることで、この趣味の楽しさを最大限に体験することができると思います。高倍率の魅力には惹かれるかもしれませんが、上記のデメリットもしっかりと理解した上で、自分に最適な選択をしてください。
事務局長Kは、ここまで書いて、口径が大きめのNCBI 8x42ED をお勧めしておきます。
双眼鏡は大事に使えば長期間使えます。「安物買いの●●失い」にならないよう、あなたに合った良い双眼鏡を手に入れてくださいね。