1. はじめに
真夏の夜といえば、カブトムシやクワガタ、色とりどりのガや様々な昆虫たちが群がるライトトラップ!子どもの頃からライトトラップは大好き!という店長Oが、豊田市自然観察の森のスタッフを巻き込んで、どれだけの昆虫が集まってくるのかを試してみました。
実は、足かけ3年となってしまったこのプロジェクト…。
2年前の7月末、自然が比較的豊かな、とある都市公園で、カブトムシやクワガタもいることが分かっている雑木林の中でやりかけたのですが…。周りの住宅が明る過ぎて虫がほとんど寄ってこないわ、大量の蚊に刺されるわ、散々な目に遭って、1時間が限界。逃げるように撤収して、何も確認できませんでした。血液型O型の店長Oの方が、LEDライトトラップよりも大量の蚊を集められるというオチに、もっと暗い、違う場所でやろうとこの時は決めました。
そのリベンジとして、豊田市自然観察の森のネイチャーセンター2Fのテラスで仕掛けたのが、前年の8月中旬。場所と時期さえちゃんと選べば、それなりに集まりそうだなという実感は得られましたが、実はこの時は、ほぼアオドウガネホイホイ状態となってしまい、書きかけたブログ記事もお蔵入り。時期が悪かったです。
このLEDの灯りだけでは、人間には暗く感じ、この地味なLEDライトに本当にちゃんと虫は来るのだろうか?その驚きの結果は後ほど。
ボーっと闇夜に光るLEDライトトラップ
2. 調査の舞台:豊田市自然観察の森
実施したのは、7月中旬のとある夜。新月が過ぎたばかりで、かつ既に沈んだ状態で、絶好のコンディション。比較的雲量も少ない晴れた日で、気温、湿度も高め。翌日は熱中症警戒アラートも出るような高い気温、湿度の中、実施しました。これは期待できそう。
しかも、今回はネイチャーセンターではなく、標本資料館という山あいの中にポツンとある建物の2階のテラスで行いましたので、住宅どころか人工的な灯りが全くない場所での実施です。

標本資料館の2階テラスから森に向けて設置
標本資料館の2階テラスから森に向けて設置
3. 調査の様子
従来式のブルーライトのライトトラップのセットも借りて、そこにブルーライトの蛍光灯ではなく、LEDライトトラップをひと晩仕掛けておく、というのが今回のしつらえ。一辺1.8mの正方形の白布を雑木林に向かって立て、そこにちょこんとぶら下げている光景は、サイズ感が違い過ぎてちょっとシュールです。白布は大きいのに、ピンポイントでそこだけのトラップに果たして昆虫は入ってくれるのだろうか、と不安しかない…。
トラップは、普段地域環境計画で使っているお手製の旧式セットの一部を借りて、東京から持参。LEDは単3電池3本を入れても軽量なので、白布をつけた枠に、トラップと共に簡単にぶら下げられます。LEDライトの前に、透明な一辺24cm程度の薄い透明なプラスチックの板を挟み、ライトに向かって飛んできた虫が、その板に当たって下のトラップに落ちるという構造にしました。
LEDだけだと、暗すぎて何が来ているのかがまったく分からない状態なので、日没後の19時半から1時間半くらいは、一緒に従来式のブルーライトも置いて、どのような虫が来るかを観察しました。すると、色々と来るわ来るわ。店長Oも久しぶりのライトトラップにテンション爆上がりです。“とよたの昆虫展”の関係でも欲しい、というスタッフが、ノコギリクワガタ、スジクワガタなど、捕まえていきます。しかし、その間にLEDライトトラップに入る虫は殆どいません。ホントに捕れるのか更に不安になります…。
横について観ていたのは21時過ぎまで。ブルーライトの蛍光灯を外し、朝までにどれだけの生きものがトラップに入ってくれるのだろうか…と不安なまま、その場を後にしました。

LEDライトトラップの設置風景(翌朝撮影したものです)
4. 結果:え?!こんなに入るの?
不安なまま、翌朝ドキドキしながら確認のために丘に上がります。途中で見かけたノコギリカミキリとか捕まえておいて、トラップに何も入っていなかったら入れちゃおうか、くらいの気持ちでしたが、結果やいかに?
トラップを見た時には一瞬目を疑いました。え?!こんなに入るものなの?クワガタを始めとした様々な甲虫以外にも、ガや羽蟻等々様々な昆虫が入っていました。あれだけ、前の晩に見ていた時に入る気配を感じられなかったあのトラップに、です。プラスチックの板、もっと大きいのを用意しておけば良かったな、とか、トラップをもっと大きくしたりしないとダメかな、とか色々と思っていましたが、杞憂でした。
トラップそのものが大型の昆虫を捕まえる構造になっていないため、カブトムシが来たら詰まっちゃうよ、と言われるレベルでしたが、幸いそれはなく、写真のように、本当に色々な種類の昆虫が来てくれました。おそらくヤママユなどの大型のガも来ていてもおかしくない季節なので、一晩中見ていたら、見ることもできたと思いますが、トラップには入らない大きさなので確認はできませんでした。その場にいたら、きっと楽しかっただろうなぁ…。

こんなにたくさんの昆虫がトラップに!
5. 考察:やっぱり楽しいけど、仕事の効率も重要
やはり昔ながらの大きなブルーライトで虫を集めるライトトラップは、とても楽しい!でもちいかんが本業としている調査という仕事の中で、どういった昆虫がいるのかをあちらこちらにトラップを設置して調べる!には、楽しさよりも効率が求められます。その点、このLEDライトトラップは流石、協会の皆さんで開発されたものなんだなと改めて実感しました。非常に軽量なので、複数箇所に設置して歩き回るのも容易ですし、この光量で本当に捕れるの?という不安が一掃される実力。安心して推すことができます。
子どもたちと一緒になって、どのような昆虫が集まってくるか、という過程を楽しんだり、学びの場にするにはこのLEDライトは向かないのかも知れませんが、色々と調べたり学術的に確認したいといった用途に対しては、非常に心強いアイテムなんだなということを実感した店長Oでした。